電子ブックについて考える
平成23年7月〜12月ネット上にて公表
今回は、電子ブックについて考えてみます。
この3月、退職するに当たって、職場内に組織される大学の同窓会から餞別を3万円いただきました。
これを財布の中にそのまま入れたのでは、いつの間にかなくなってしまいます。で、なんぞ形が残るモノを購入しようと考えた結果、ふと思いついたのが電子ブックリーダーでありました。
正直、読書好きを自認する私にとって、電子ブックなんて邪道だぁ〜感が、ありました。いや、愛用している今でも、ないわけじゃありません。しっかし、いざ使ってみると、やっぱり便利で、なかなか良いんですなぁこれが。
実はこの4月から某人に頼まれ、某所でアルバイトを余儀なくしているのですが、満員電車の中で、結構過酷な条件でも、立って片手で本が読めるということは、やはり魅力なのです。
私が購入したのは、ソニーの文庫本サイズのヤツです。画面が液晶ではなく、電子ペーパーということで、確かに目に優しく、とても読みやすいです。
重さは、文庫本一冊よりは少々重いかなぁ。でも、通勤途上で本を読んでいる人は誰しも経験があるでしょうが、もうすぐ読み終えてしまいそうな本と、次に読むつもりの本の2冊抱えるのは、結構大変でしょ?
また、朝と夕で読む本のジャンルを変えている人もいるでしょう。それを思うと、ソニーの文庫本サイズのヤツは、こんな小さくても約1,400冊入ると宣伝されています。(私のものの中には、無料でもらえた100冊+20冊あまり入ってます)
不満ももちろんありますよ。ソニーの本屋さんでは、扱っていない小説家(たとえば、人気作家の一人である宮部みゆきの本は一冊もない)も多々いらっしゃいますし、それに、文庫本で販売している本は、文庫本価格だけれど、まだ単行本しか販売されていないのは、単行本価格なんだなぁ。考えれば当然かもしれないけど、なんか釈然としないんだね。
しかし、それよりも何よりも、やっはり、電子ブックは電子ブックであって、「書籍」じゃないんだね。それが、小説であれ、論説であれ、エッセイであれ、本を読んでいるって感覚ではなく、ただ活字を追っているって感覚と言えばよいのかな。内容を理解するには、なんら支障はないけど、どうもね。
読み終わった後、本棚に並べる楽しみはないし、といっても、私のように、読み終えた本も、読みかけの本も、まだ読んでいない本も、床に山積みで収拾がつかなくなるよりば、良いのだろうけれど。
それでも今後は、これがだんだん主流になっていくんでしょうか?
音楽が、レコードからCDへ、そしてネット配信中心になっていったようにねぇ。
でも、なけなしのお小遣いを貯めて、やっと買うことができたLPを、レコードプレーヤーの上にのせて、ドキドキしながら針を落とす瞬間の胸の鼓動(う〜ん、プリプリの歌にあったなぁ、そんな歌詞)ってのが、なくなった時点から、どこか音楽に重みがなくなった気がするのは、私だけでしょうか?
本もそうだもんね。昔の本、映画でしか見たこと無いけど、「不思議の国のアリス」の初版本なんて、装丁自体が芸術品ですもんね。
と、そんなことを思いつつも、毎日、電子ブック片手に通勤している私なのです。
それから、人間の目ってたいしたもんで、たとえば、推理小説を読んでいて、どーも、こいつがあやしいぞ、と目をつけた人物が、以前、どこでどうやって登場したかを、もう一度確認したくなることってあるでしょ?そんな時、ページをパラパやって、もどったり、すすめたりを何度か繰り返して、苦もなく見つけることができるでしょ?ところが、電子ブックリーダーで、それをやってもだめなんだね。できないんですよ。勿論、気になったところに常にブックマークを付ければよいのだろうけど、後から気がつくことも多いしねぇ。
とはいえ、おおむね良い道具だとは思います。あと加わって欲しい機能は、広辞苑かなにかを内蔵させて、すぐに調べることができるようにしてほしいのと、なんと言っても購入できる本の種類の充実でしょう。
なんとかメーカーすべてが、全部共通になりませんかね?
(ねむり姫 52歳)