大変な年だった2015年

平成26年1月〜6月ネット上にて公表 

 2015年の元旦は、雪がエライ勢いで降っていました。このため、我が家の恒例行事である、お袋さんと一緒に車で近辺の寺社を巡る初詣を断念し、私一人で、歩いて行ける円福寺と白山神社に詣でたわけですが、今から思えば、そもそもこれが、ケチの付き 始めだったのかもしれません。

 まず、5月に私自身が、生まれて初めての入院を経験しました。これについては、5月27日付けのブログに結構詳しく書きましたが、まぁ、こちらは検査入院でしたし、どこが痛いわけでもないので、良い体験になったと思います。一晩中、誰にも邪魔されず、読書が出来ましたしね。で、問題だったのは、お袋さんの方でした。

 毎年、ニュータウン内の診療所で行っている健康診断を受診していますが、そこのバリューム検査で引っかかり、次に胃カメラの検査を行いました。どうも、胃癌らしいと言うことで、春日井市民病院へ行きましょうと言われたのが8月8日。紹介状と画像データの入ったCDを持って10日に市民病院に行きました。まず血液検査。そして消化器内科を受診。そこでお袋さん自身は、初めて自分の胃カメラの画像を見ました。
 自覚症状もまったくなく、便通も普通だったそうで、少なからずショックだったようです。そして12日に再度胃カメラの検査。胃癌ですということで、更に精密検査を行うこととなりました。消化器内科の女医さんは、とても熱心で、詳しく説明もしてくれましたし、こちらの話もよく聞いて下さいました。ただ、私はてっきり入院して検査を行うとばかり思っていましたら、さにあらず。通院で検査を行うとのこと。確かに見た目全く健康で、普通に飯も食べていましたからねぇ。元看護婦の我が妹の話に寄れば、その方が保険点数が高くなるとのこと。ふ〜ん。

 さてさて、そこからが大変でありました。CT検査、心電図、肺機能、心臓超音波検査、大腸内視鏡検査、HIV血液検査、口腔外科等々。手術に耐えられるかの検査や入院前のオリエンテーションも含め、9月14日の入院までに、8月10日から数えて、10回も市民病院へ通いました。当然、すべてに私が付き添ったわけです。いつかこのような状況となることを想定していたわけですが、早期退職しておいたおかげで、病院側の指示通りの日程で検査を進めることが出来ました。

 市民病院の外来はいつ行っても沢山の人がひしめき合っていました。その中で、老夫婦が予約票を持って、あっちへうろうろ、こっちへうろうろしているのを見ると、思わず声をかけたくなります。体が辛い中、大病院で検査を受けるのはホントに大変です。幸い我がお袋さんは、通常通り生活している中での検査でしたので、自分でヒョコヒョコ歩いて検査室に入っていきました。検査する技師さんは、カルテを見て85歳だとわかると、大抵ビックリしていましたね。ただ、いくら元気とは言え、入院のための細かい書類作成や手続きは年寄りには無理だし、もの凄く詳しい胃癌手術の説明書も頂きましたが、これまた細かい字で書かれており、老人が読んで理解するには、ちょっと大変な代物でした。

 さて、幸いにも他に転移もしておらず、手術も十分可能と言うことで、9月14日入院、15日手術と決まったのが、8月の終わりでありました。これ以降は、外科担当となります。そして、入院。お袋さん自身としても、入院経験があるとは言え、全身麻酔は初体験。流石に不安そうでありました。入院に際しては、枚方に住む我が妹から、元看護婦ならではグッズが届き、大変ありがたかったです。今は色々なものがあるんだね。特にスリッパは、病院内の職員や患者さん達からも絶賛されておりましたよ。

 そして、いよいよ手術。家族控え室には、私ともう一家族の方が見えられました。8時55分手術室へ。親父の時は、まる1日かかったと記憶していますが、今回は、執刀医から終わったとの連絡が入ったのは午後1時頃でありました。説明を聞き、摘出された病巣も見せてもらいました。他に転移も見つからなく、綺麗に取れたとのこと。この外科の主治医さんも若くて熱心な方でありましたよ。午後1時半頃、ICUにて面会。沢山の管に繋がったお袋さんは、いかにも病人そのものでありました。私の顔を見るなり血圧が上り、「息子さんの顔見て、興奮してるの?」と看護師さんから聞かれて、うなずくお袋さんにはちょっと笑いましたねぇ。
 その後の経過はわりと順調で、9月26日に無事退院となりました。その間、私は洗濯物を運びながら、毎日面会に行ったわけですが、今は長い期間入院をさせておいてはくれませんね。入院していた方が、こっちとしては気楽なんですけどね。

 ところで、春日井市民病院は、500床を超える大病院です。外来はいつも混んでいますが、病室はガラガラでした。医師でもある妹のダンナの話によれば、公立病院は軒並み独立採算制となってきたけれど、市民病院は直営のままのところが多いとのこと。考えてみれば、少々赤字であっても、何かと言う時に誰でもすぐ入院できる様な状況になっていないと、市民病院の価値はありませんけどね。

 今お袋さんは、一度に沢山は食べることが出来ませんが、まったく普通の生活をしています。今後は地域連携クリニカルパスにより、行きつけの診療所と連携して様子を見るとのこととなっています。

 それにしても翻って考えてみると、自分が年を取った時は、どうなるのかなぁと不安になります。世話を焼いてくれる人など「お一人様」にはいませんからね。ただ、これは連れ合いがいても同じで、先に亡くなってしまっていたり、子供がいても、遠方に住んでいたりしたら、結局一人ですもんね。妙な話ですが、元気な状態で入院するためには、やはり健康診断が欠かせないのかもしれません。今回のお袋さんのケースでも、昨年と今年のバリューム画像を見比べた結果、胃カメラ検査を実施して確定できたと言われています。これは、時々行く医療講座で聞いた話ですが、現在、健康診断でのバリューム検査は、複数の医師が画像をチェックする体制になっているとのこと。ただ、今後、胃の検査は変わる様なことが報道されていますので、どうなるかは判りませんけど。

 とは言え、お互い健康には留意したいものです。活き活きと生きていれば、きっと何か良いことがあるかも。。。しれませんしね。でもどこか、永井荷風のような最期を迎えるんじゃないかと思う自分もいるんです。

(ねむり姫 57歳)