じぇじぇじぇ!倍返しでおもてなし!

平成26年1月〜6月ネット上にて公表 

 「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」という映画を見ました。あらすじについては、ネットで検索してみてください。
この映画は、APCC(アジア太平洋こども会議)が絡んでいるのですが、なぜか東海地方全体を見渡しても、2013年現在たった一つの映画館でしか上映されず(ひょっとすると自主上映はあったのかも)残念なことに、パンフレットも存在しません。
また、肝心の映画としての出来としては、演技らしい演技をしているのは佐藤仁美くらいで、どこか学芸会っぽく、そして、いくつかの物語が年月を超えて交錯するというストーリー展開が、うまく構成されているとはとても言いがたく、その完成度が高いかというと、甚だ疑問ではある作品です。

 でも、テーマがすごくいいんだなぁ。
 この世でなによりも大切なのは、「おもいやり」というもので、それがなくなると「おもいやり泥棒」になってしまう。だけど、この「おもいやり泥棒」もホントは寂しいんだよ。だから怖がらずに話しかけよう。互いにおもいやることが大切なんだ。そうすれば、世界から争いをなくすことさえできるんだ!というのが主旨かな。ま、勿論、ファンタジーですよ。

 よく、互いに銃をつきあわせている状態で平和について説いても仕方ないという人がいます。でもね、9月5日の中日春秋にこんな一文が載ってました。

 英国のテレビ司会者デービット・フロストがジョン・レノンへのインタビューで、「ヒトラーがチェコに進軍した時に人々が「平和と愛を」と言ったとしても、何もかわらなかったのでは?」と迫りました。すると、ジョンは、こう答えました。「うん、でもヒトラーがこの世に生を受けた瞬間から、みんなが彼に「平和と愛を」と言い続けていたらどうだったろう」

 互いに理解し合うこと、これすなわち「おもいやり」なんですね。
 改めて考えてみれば、誰も悪人が登場せず、お互いへのおもいやり集団劇だった「あまちゃん」、そして半沢が自分を裏切った?伊藤を不問にしたのも、おもいやりだったのでしょう。
 そうだ、「飛べ!ダコタ」なんていう映画も公開されました。これは、終戦直後佐渡島に不時着した英国機を、島人みんなで再び飛び立たせるという事実に基づいたお話でした。
 終戦直後という状況の中、かつての敵国民を前にして、葛藤があって当然です。
でも、「俺たちは、天子様から罪人まで受け入れてきた島のもんだ。困っている人がいたら助けるのは当然だ。」と、無報酬で滑走路を整備した島の人たち。これぞ、日本人の心意気ってもんじゃありませんか?「おもいやり」のない「おもてなし」なんぞ、いらんもんね。
これもファンタジーかもしれませんが、M資金というものが本当にあって、それが最近小説や映画で描かれた「人類資金」となって、拝金主義のルールを変えてくれるような世界が実現すればいいのにな、と私も密かに夢想しています。

(ねむり姫 55歳)