TPPと憲法改正について

平成25年7月〜12月ネット上にて公表 

★TPPについて

 これの、メリットデメリットについては色々議論されてますし、様々な書籍も出版されていますので、今更言うまでもないと思います。
 ただ、私も結構読んだり見たりしましたけど、本当に未来永劫まで、これがうまくいくとは正直思えないんだなぁ。
 日本について言えば、デメリットとして農業が壊滅的になるとか、国民皆保険はどうなるんだとか、色々言われていますけど、それはそれとして…。

 TPPって、簡単に言うとその目的は、それぞれの国がそれぞれの国の特性を生かして、それぞれの得意分野の産業でみんなで幸せになろうよ、と言うことでしょ?

 誰の本で読んだか忘れてしまいましたが、こんなことになりませんか?

 Aという国が仮にあるとして、このA国は、半導体を作るのがとても得意だとします。安くて性能が良い半導体を作るので、んじゃ、半導体はA国に任せましょうとなります。
 次にB国があるとします。この国は、ジャガイモを作るのにとても適していて、他の植物性の油をとる作物を育てるのにも、とても適していて得意だとします。んじゃ、ポテトチップスは、B国に任せましょうとなります。この際、どっちが儲かるかは度外視です。

 このような関係になれば、協定締結時はとても良いですよね。それぞれの分野の産業で経済発展するでしょうから。
 でも、10年後、20年後、30年後…A国の国民は、ICチップを作り続け、B国の人はポテトチップスを作り続けるわけですよ。それでB国の国民は満足しますか?
 おそらくしないと思うんだなぁ。

 人間には、欲もあるし、ねたみもあるし、見栄もある。銭もうけの経済だけでは語り尽くせぬ動物です。

 まぁ、これが2国間ならば、そのつどその2国間でまた話し合えば良いですが、多国間協定ともなれば、そんな訳にはいきません。

 仕組みとしては、途中で、や〜めた、私抜けますってこともできることになっているそうですが、その際、損失を被る企業は、その国に対し損害賠償請求ができるという仕組みにもなってます。

 つまり、参加している、あるいはしようとしている国のお偉いさん方は、今しか見えていないような気がするんだけどなぁ。こんな考え方おかしいですか?


★憲法改正について

 私自身は、憲法が時代にそぐわなくなったら改正すべきと考えますが、最近の96条改正の話題って国民を馬鹿にしてませんか?
 改正推進派は、おそらく国会で発議し国民投票にかければ、その時のムードですんなり改憲できちゃうだろうと考え、また、護憲派の方も、ムードやイメージですんなり改憲されちゃうだろうから大変だぁ考えているのでしょう。
 日本国民ってそんなに阿呆ばっかりかぁ?なんか馬鹿にされてませんか?

 よく言われることは、そもそも99条において、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と書いてあるということです。これは、「憲法は、国民が守るべきものではなく、国民が上記の連中に守らせるものである。」ということを定義しているわけでしょ。

 我々は、改憲するにせよ、しないにせよ、あんたらの指導の下に行おうとは思っていませんよ。どうも、政治家や高級官僚達は、自分たちが国の指導者とかリーダーとか未だに思っているらしいですな。

 てやんでぇ!冗談じゃねぇ。すでに時代が違いますぜ。
 経済にせよ、国際情勢国内事情にせよ、科学技術に関する知識や芸術文化にせよ、すべてこちら側の方にあなた方より詳しい人間がいます。
 ましてや家業として政治家をしてきた一族に物事がわかるわけがないじゃないですか。

 待機児童を抱えたことも、経済的理由で進学をあきらめたことも、いつ切って捨てられるかの不安を抱えて契約社員になったことも、リストラされて、ハローワークのあの狭っ苦しい場所で端末を必死にたたいて職を探したことも、他人の死を望んでいることと同じだよなぁなんて思いながら、老人介護施設の空きを待ったこともないような連中が、指導者?笑わせちゃいけない。

 自分たちが国を引っ張っているんだなんて思い上がりも甚だしい。あなたがたは、国民のパシリなんですよ。その仕事がやりたいやりたいって言うから、やらせてあげてるんです。

 考えればわかるとおり、税率をあげて予算を潤沢にし、そしてまた強い軍隊を手にすれば、あなた方の仕事はとても楽になるでしょう。でも我々はあなた方の仕事を楽にしようとは露程も思っていませんよ。あの中曽根さんでさえ、首相をやっているときは、改憲については口を開かなかったそうな。

 よく、憲法9条を守るために署名を!と街角でやってますが、9条を改正しましょう!という署名運動は見たことがありません。
 本来ならば、国民からの総意を署名として集め、そしてそれをもって国会に改正を要求し、それをうけた議員は、映画「リンカーン」で描かれた大統領のように、信念を持って、あらゆる手段を講じて賛成者を募り、国会で発議し議決すべきでしょう。そして国民投票という手続きを経るべきです。

 まず96条を改正しようと言うことを、国会議員が言い出すこと自体、ちゃんちゃらおかしいし、ルールを守るべき人間が、そのルールは気に入らんから、自分たちがやりやすいようにルールを変えたいというのは、どう考えてもおかしいやろ?

 なんてこと考えていたところ、5月16日の新聞報道によれば、護憲派と改憲派、双方の学者達が大同団結して、96条改正に反対の会を立ち上げたとのこと。ここへ来てやっとかぁ。これが本来の姿と私は思います。
 
 改憲するにせよ、しないにせよ、発議するのは国会議員ではなく、我々国民です。。。。


(ねむり姫 54歳)