武士は食わねど…

平成24年1月〜6月ネット上にて公表 

 2011年は、まさに「災」の年でした。
 3月11日災害や大雨は言うまでもなく、世界各地でも、地震や大洪水、電車がぶつかったり、飛行機が落ちたり。。。

 天災は仕方がないのかもしれませんが、日本の場合、原発事故だけが余分でしたね。この事故がきっかけで、原子力行政が見直されたり、節電が声高に主張されたり、エコエネルギーがやたらクローズアップされたりしました。

 でも、なんか徒然なるままに考えると釈然としないんですよねぇ。

 電力会社が呼びかける節電って、ようは、うちの商品をなるべく買わないで下さ〜い!買うとみんなに行き渡らなくなる可能性がありますよぉ〜って、ことですよね。それで、そんなこと言ってたら、儲からなくなったので、その商品を値上げしま〜す。というのが、電力会社ですよね。そんな企業がなぜ一般公務員より高い給料をもらうことができるんでしょうか?

 その一方、原発反対運動もなんか変な気がするんですよね。「原発はんた〜い!」と発電所の地元の人が言うのは分かりますよ。でも、そうでないならば、まず、「我々は、もう電気は必要最小限しか使わんぞ〜。夏に少々暑くとも、冬に少々寒くとも我慢するぞ〜。それから24時間営業のコンビニはいらないぞ〜。深夜までやっている飲食店や風俗店、それにテレビ放送も我慢するぞ〜。」と叫ぶべきではないかなぁ。

 また一方、安全論議もヘンですよ。どんなに高い堤防造ったって、どんなに強い炉を作ったって、それを上回る災害の可能性を否定はできないでしょ。
 セキュリティーって、そっちの側面からだけで考えるものではないでしょう。

 たとえば、大型ジェット旅客機が、墜落する可能性ってどれくらいなんでしょうか。そしてそれが海上に不時着する可能性ってどれくらいなんでしょうか。たぶん、ものすごい小さい確率ですよね。

 にも関わらず、毎回、離陸の前には、一人一つずつ整備されている酸素マスクや救命胴衣の説明がなされますよね。また、聞くところによれば、キャビンアテンダントの口紅の色は、地上勤務時よりもより紅く塗られているんだとか。これは、たとえ声が聞こえなくとも、口の動きで判断できるように配慮されてのことなんだそうな。
 他にも、桜島フェリーが24時間運行なのは、いつ何時噴火しても、住民の避難に対応するためと、聞いたことがあります。

 とすればですよ、今回のケースでは、避難勧告が出ても、すぐに対応できなかった車の運転ができないお年寄りが大勢いたことや、自家用車の避難で渋滞がおこったことがあったわけでしょ?そして、一旦避難したら、なかなか帰れせてもらえない住民がいるわけでしょ?
 それなら、堤防や原子炉の対策以上に、例えば常にエンジンがかかる状態でスタンバイしている住民全員が乗れる運転手つき避難用バスと、数ヶ月あるいは数年移り住むことができるサブタウンが必要なんではないですか?

 え、費用がかかりすぎる?あたりまえですよ、でもそれが本当のセーフティーネットでしょ。それでも原発が必要ならば、仕方ないでしょう。それがいやならば、答えは簡単。もはや欲望を我慢するしかないんですよ。

 そろそろ先進国と呼ばれる国に住まう人々は、欲望を我慢することが必要ではないんですか。

 「もったいない。」の次は「武士は食わねど高楊枝」ですよ。

 なにも電力に限ったことではありません。本来の日本人の美徳を思い出しましょう。拝金主義なんぞ唾棄すべきだったのに、いつの間にやらあこがれになってませんか?働くことは銭をもうけるのが目的ではなく、はた(他人)をらく(楽)にすることです。欲望のままに生きる欧米型の消費社会に毒されてはいかんと思います。

 幸せの方向を間違ったことが、年間3万人以上の自殺者につながっているんだと思うんです。今なら、まだ間にあうんとちゃいますか?

 武士は食わねど高楊枝。質実剛健。和魂洋才。う〜ん、あと何がある?

(ねむり姫 53歳)