昭和61年10月27日 中日新聞朝刊 発言欄掲載

<テーマ「夢」に対する課題特集>

−以下は掲載されたモノそのものであり、ねむり姫の原稿とは若干異なる部分あり−


「実現をめざし思い描くもの」(タイトルは新聞社が決定)

 最近、若者らしい覇気を持つ人が少なくなった、とよく言われる。それは大多数の人が求めているのが、刹那的な快楽にすぎないからではないだろうか。

 「現在のことしか考えられないのが子供。過去ばかり振り返るのが老人。明日を夢見ているのが若者」−。これは人の真の姿だと思うが、夢はその人の理想であり、希望であり、生きるための目標なのだから、年齢など問題ではないのだ。

 確かに中には実現不可能で幻想のまま終わる夢もあるだろう。殺伐とした現代だし、完璧に管理された社会構造の中で、夢を抱き続けるのは難しいかもしれない。それなら、ささやかな夢でもいいではないか。小さな夢を一つ一つ実現していけば、いずれ大輪の花を咲かせることも出来よう。

 つまり、人が何と言おうと、自分の夢に向かって賢明に努力する姿勢こそが尊いのだ。夢とはあくまでも実現させたいという意思のもとに思い描くものだと思う。

(ねむり姫27歳の時、投稿)