昭和55年5月18日 中日新聞朝刊 発言欄掲載

<テーマ「日本の防衛の行方」に対する課題特集>

−以下は掲載されたモノそのものであり、ねむり姫の原稿とは若干異なる部分あり−


「真の国防は国民の心に-武器の保有量ではない-(タイトルは新聞社が決定)

 防衛問題が取り上げられ、議論されるようになったが、私にはどうも片手落ちの防衛論議としか思えない。

 真の国防とは、「戦わねば、オレが殺される。」ではないと思う。親が身を挺して子供を守るのと同じ気持ちになって、初めて出来ることである。それには、全ての国民が幸福であり、国を愛し、信頼していなければならない。では、すべての国民が幸福である、と言い切れるだろうか。答えは、「否」である。多額の予算を防衛費にさく余裕など、今の日本にはとうていないと思う。

 真の国防とは、国民全ての心の内から出てくるもので、武器をどれだけ保有しているか、ではないはずだ。物量では、はるかに勝るアメリカがベトナムでなぜ負けたのか。
 本当に武器を持つ必要があるのかどうかを、じっくり考えるべきだ。

(ねむり姫21歳の時、投稿)