昭和54年1月14日 中日新聞朝刊 発言欄掲載

<テーマ「受験シーズンに思う」に対する課題特集>

−以下は掲載されたモノそのものであり、ねむり姫の原稿とは若干異なる部分あり−

「”友人が敵”の内申書の重圧−高校受験の方がつらかった(タイトルは新聞社が決定)

 1年間の浪人生活を経て、昨年大学に入学し、今は大学生活を満喫しています。浪人時代はつらいものでした。予備校の講義は高校の授業より楽しかったのですが、やはり灰色でした。

 大学受験と高校受験を比較してみると、勉強量も勉強時間も少ない高校受験の方がつらかったような気がします。その原因は、高校入試に重視される内申書でした。これは相対評価で決定します。当然、同じ教室で机を並べている友人を敵としなければなりません。受験とは自分との戦いだと、きれい事を言ってはいられないのです。その評価法のため、いくら努力しても成績はほとんど変わらなかったようです。それに比べて大学受験は良かったと思います。敵は友人ではなく、他校の生徒です。私の高校の同じ受験校の者は団結したものです。

 中学生を今のような状況に置く受験体制は、好ましいことだとは思えません。といっても、この体制を崩すのは容易ではないでしょう。また、共通一次のような、単なる合理化にも反対です。

 しかし、いずれにしろ、高校、大学への受験勉強とは非人間的な行為とは思っても、これを克服しなければならないのです。大いに悩み、反発し、世間がその結果をどう判断しようと、自分自身では過程を、より重視する姿勢が大切だと思います。

(ねむり姫20歳の時、投稿)